まぶたがピクピクしてものを見るのも辛い眼瞼痙攣を、注射1本で抑えることができる方法としてボトックス注射が注目されています。最近では、ボトックス注射の治療を提供している病院が増えてきて手軽に受けることができますが、その効果や副作用について心配な方もいるのではないでしょうか。今回はその点ついて詳しくチェックしてみましょう。

眼瞼痙攣治療で効果が高いとされているボトックス注射とは?

最近では、眼瞼痙攣治療にボトックス注射が採用されるケースが増えてきました。というよりも現時点では、ほとんどの眼科医がボトックス注射を勧めています。このボトックス注射とは、猛毒で有名な不活化したボツリヌス菌を投与する術式です。

かつてはオウム真理教がテロ攻撃のために大量に培養していたボツリヌス菌ですから、取り扱いは厳重に厳重を重ねて行われています。つまり専門医でなければ扱うことができないという点も知っておくべきでしょう。

ボツリヌス菌には強い麻痺作用があり、皮下注射をすると筋肉を弛緩する効果を発揮します。筋肉は神経からの指令を受けて収縮しますが、ボトックスは神経伝達物質の働きを阻害する効果を発揮します。すると無意識レベルの筋肉の収縮を抑制することができるのです。

眼瞼痙攣はまさに目の周辺の筋肉が痙攣している状態ですので、対処治療としては最適だとされています。ここで対処治療と述べたのは、ボトックス注射も他の薬剤投与の治療同様に、眼瞼痙攣自体を完治させる力はありません。あくまでも痙攣を一時的にストップさせる効果にとどまります。根本治療は体質改善を含めた治療法が必要となるでしょう。

ただし、現時点では即効性のある治療法としてボトックス注射が最善とされていて、眼瞼痙攣の8割が臨床的に効果ありというデータになっています。また一回の注射で3か月前後の効果持続が期待できます。

ボツリヌスを扱える医師は取り扱い資格者のみ

ボトックスによる術式は 、A型ボツリヌス毒素製剤(安全レベルまで希釈してありる)を眼球の周りの筋肉へ数ヶ所に注射するだけです。

しかし取り扱いが麻薬レベルということで、保管から処方までを厳重に管理されているのが現状です。国内ではちゃんと資格を持った医師だけが施術を許されており、眼科ならどこでも治療が受けられるというわけではありません。

ボトックス注射の副作用や注意点

ボトックス注射は毒性の強い菌を利用することで、製剤の段階から細心の注意がとられています。つまり、人体へ悪影響が出ないように配合率を厳密にチェックしながら作られている薬で、製薬メーカーを選ばないといけません。もちろん患者が薬剤を指定することはできませんので、信頼のある病院で治療を受けることが肝心です。

また、注射する量を判断することも困難な薬とされています。基本的には初回に少なめに投与して、反応を見て増量していきます。この加減を間違えてしまうと副作用が強く出たり、まったく効かなかったりすることがあります。人によっては免疫作用によって薬の効き目が弱くなることもあり、薬自体が効かないケースも出てきます。特に怖い副作用として、ボトックスの注射量を多くしてしまうと治療をしなくてもよい筋肉までもが麻痺してしまいます。この副作用が最も注意すべきポイントです。

具体的には、まばたきが上手くできなくなってしまうことや、視界のピントがぶれてしまって物が2重に見えたり、涙目の状態が継続することもあります。また注射後に頭痛やめまいを起こす方もいますし、酷い場合は角膜表面が傷ついてしまって、まぶたの中がゴロゴロすることもあります。あるいは眼瞼下垂といって、上まぶたがダラリと下がってしまう副作用も生じます。

こういった副作用を知ってしまうと、恐怖感が強くなって治療を避ける人も出てきます。そして一旦副作用が出れば、薬の効き目が落ちるまで、数カ月間は苦労することとなるでしょう。

一方、治療を施す病院側にもデメリットがあります。麻薬扱いの薬剤ですから、購入・保管・投与のすべてを厳重に管理しなければなりません。また絶対量が少ないこともあって、病院で在庫を持つことが難しく、治療プランを立ててから発注しますので施術が待たされるケースも珍しくありません。それで日程が合わないからと治療をキャンセルした場合、薬の他の患者への転用が禁止されているという理由で薬代は支払わなければなりません。

まとめ

ボトックス注射の効果はしっかりとしていて、辛い症状で困っている方には役に立つ薬なのですが、述べた通りに副作用の問題もあって、治療を受ける際は注意が必要となります。

一般的にボトックス注射の効果は3~4ヶ月間とされています。効果がなくなれば元に戻り、眼瞼痙攣の症状も再発します。つまり3か月ごとにボトックス注射を受けることになり、その度に副作用の心配もしなければいけません。症状が改善されるまで何度も注射を受けるのは大変なことでしょう。患者の側としては、治療を受ける前に病院の評判をチェックすることをおすすめします。実際に治療を受けた方の口コミなどが参考になるでしょう。